日本臨床外科学会雑誌
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症例
梅の種子によりイレウスをきたした1例
三口 真司眞次 康弘小橋 俊彦中原 英樹漆原 貴福田 康彦
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2009 年 70 巻 3 号 p. 740-745

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抄録
今回われわれは梅の種子が原因でイレウスをきたした1例を経験したので報告する.症例は82歳,女性.8年前に子宮癌で放射線療法施行歴があった.嘔吐,腹痛を主訴に当院を受診した.イレウスと診断しイレウス管減圧による保存的加療を2週間施行したが,軽快しなかったため手術を施行した.回腸全体に放射性腸炎を認め,回腸末端の狭窄部位に梅の種子が嵌頓し穿孔しており同部位を切除した.植物種子によるイレウスの本邦報告例は自験例を含めて15例のみで非常に稀である.原因となった異物としては梅の種子が11例と圧倒的に多かった.また,13例は原因となる器質的疾患が存在していた.大腸の場合は大腸癌,小腸の場合は放射性腸炎が多かった.何らかの腸管狭窄を伴う場合は,異物が梅の種のように比較的小さくてもイレウスの原因となりうることを十分考慮する必要がある.また全例術前に異物誤嚥を確認できておらず繰り返しの問診が重要であると考えられた.
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© 2009 日本臨床外科学会
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