日本臨床外科学会雑誌
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症例
腎細胞癌術後12年目に消化管出血で発症した孤立性十二指腸転移の1例
赤丸 祐介弓場 健義山崎 芳郎森本 芳和奥田 紘子
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2009 年 70 巻 3 号 p. 735-739

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抄録
腎細胞癌は肺,骨などに血行性転移をきたすが,消化管への転移は稀である.今回われわれは腎細胞癌術後12年目に孤立性十二指腸転移をきたした1例を経験した.症例は78歳,男性.66歳時に左腎細胞癌に対して根治的左腎摘除術を施行された.黒色便の精査目的で施行した上部消化管内視鏡検査で,十二指腸球部に頂部に潰瘍形成を伴う粘膜下腫瘍様隆起性病変を認め,その生検にて腎細胞癌の転移と診断した.腹部CT検査では十二指腸から膵頭部に4cm大の均一に造影される腫瘍が存在した.2007年10月,膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検索では,淡明異型細胞の胞巣状増殖を認め,腎細胞癌の転移と診断した.また腫瘍は十二指腸筋層を首座とし,膵組織とは近接するが浸潤を認めなかったことより,膵転移ではなく十二指腸壁への転移と診断した.腎細胞癌十二指腸転移は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2009 日本臨床外科学会
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