日本臨床外科学会雑誌
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症例
短腸症候群長期静脈栄養管理中に生じたセレン欠乏症の1例
甲谷 孝史
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2009 年 70 巻 3 号 p. 746-750

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抄録
症例は,68歳,男性.既往歴:1991年10月胃悪性リンパ腫で幽門側胃切除術を施行.現病歴:1998年9月当院にて絞扼性イレウスで小腸広範切除,十二指腸回腸吻合術を施行し,短腸症候群となった.そのため,少量の経口摂取に加え在宅中心静脈栄養法にて栄養管理をしていた.その間,1カ月に1回の頻度での血液検査などから栄養状態を評価し,その投与量を決定してきた.以後,経過順調であったが,2007年3月頃より,著明な食欲不振を認めたため,完全静脈栄養法(以下TPNと略)とした.同年5月頃より,下肢痛が出現し,爪床部白色化を認め,血清セレン(以下Seと略)値が2.0μg/ml未満であり,Se欠乏症と診断した.Se製剤を経静脈投与したところ,3カ月後には下肢痛・爪床部白色化は改善した.短腸症候群における長期TPN施行症例は,Se欠乏症が必発であるが,比較的短期間のTPN施行症例でSe欠乏症が発症したため報告する.
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© 2009 日本臨床外科学会
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