抄録
症例は66歳,男性.主訴は腹部腫瘤.腹部CTにて腹腔内腫瘤を指摘され外科紹介となった.触診にて右悸肋部に約12cm大の圧痛を伴う腫瘍抵抗を触知.血液検査では著明な炎症所見,貧血および低栄養状態が認められた.腹部CTにて,右上腹部に14×9cm大の腫瘤が上行結腸および横行結腸に接して,壁外に突出するかたちで認められ,GISTや悪性リンパ腫が疑われた.大腸ファイバーでは,横行結腸右側に隆起性病変が認められた.同部位の生検にて中分化腺癌を認め,壁外発育型大腸癌と診断し,手術を施行した.腫瘍は横行結腸から発生し,腸間膜側へ壁外性に発育.回腸の一部にも浸潤し一塊となっていたため,回腸部分切除を伴う右半結腸切除術を施行した.切除標本にて腫瘍内を貫き回腸へと通じる瘻孔を認めた.組織学的には乳頭状腺癌,pSI(ileum),pN0(0/12),sH0,sP0,cLM1,fStageIVであった.