日本臨床外科学会雑誌
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症例
CA19-9産生胃癌の1例
徳川 奉樹日野 仁嗣小林 文小山 拡史北井 祥三稲葉 征四郎
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キーワード: CA19-9産生胃癌, CA19-9
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2009 年 70 巻 4 号 p. 1065-1070

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抄録

Carbohydrate antigen 19-9(以下CA19-9)産生胃癌の1例を経験したので報告する.症例は72歳,男性.食欲不振を主訴とし3カ月で6kgの体重減少を認めたため上部消化管内視鏡施行され胃体部に3型腫瘍を認めた.生検にて中分化型腺癌と診断し,幽門側胃切除を施行した.術前CA19-9は4,637と高値を示し術後3カ月後には57まで減少したが正常化は認めなかった.術後S-1などの化学療法を行ったが肝転移を認めた.腫瘍マーカーとして用いられるCA19-9は胃癌においては30%程度が上昇すると報告されている.今回術後CA19-9が1,400,000と高値を示しながらも長生し外来通院中である.

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© 2009 日本臨床外科学会
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