Carbohydrate antigen 19-9(以下CA19-9)産生胃癌の1例を経験したので報告する.症例は72歳,男性.食欲不振を主訴とし3カ月で6kgの体重減少を認めたため上部消化管内視鏡施行され胃体部に3型腫瘍を認めた.生検にて中分化型腺癌と診断し,幽門側胃切除を施行した.術前CA19-9は4,637と高値を示し術後3カ月後には57まで減少したが正常化は認めなかった.術後S-1などの化学療法を行ったが肝転移を認めた.腫瘍マーカーとして用いられるCA19-9は胃癌においては30%程度が上昇すると報告されている.今回術後CA19-9が1,400,000と高値を示しながらも長生し外来通院中である.