2009 年 70 巻 4 号 p. 1086-1090
小腸内視鏡により存在を診断し,腹腔鏡補助下に切除した空腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)の1例を経験したので報告する.症例は,67歳,男性.下血・貧血を認め,上部・下部消化管内視鏡検査を行ったが,出血源は不明であった.再度下血・貧血認め,小腸造影・小腸内視鏡で空腸に15mm大の粘膜下腫瘍を認め,腹腔鏡下に播種・肝転移を検索し,腹腔鏡補助下小腸切除を施行した.腫瘍径15mmで紡錘形細胞からなる腫瘍であった.免疫染色でc-kit,CD34陽性で腫瘍径小さく,MIB-1 index(<1%)で超低リスクのGISTと診断された.現在,下血・再発なく外来で経過観察中である.