日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
針生検のMIB-1 indexより血管肉腫との鑑別に難渋した乳腺血管腫の1例
名和 正人土屋 十次立花 進熊澤 伊和生川口 順敬吉田 和弘
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 70 巻 4 号 p. 993-997

詳細
抄録
症例は67歳,女性.左乳房に腫瘤を自覚し受診した.超音波検査にて左乳房B領域に8mmの腫瘤像が,マンモグラフィにて境界明瞭な淡い円形の腫瘤影が認められた.MRIではT2強調画像で高信号な腫瘤像がみられ,その時間信号強度曲線は急峻に立ち上がりそれが漸減していた.吸引細胞診では血球と血管成分のみで判定不能であった.針生検の結果,血管性腫瘍と考えられ,さらに細胞異型像,分裂像やMIB-1 indexから低異型度血管肉腫が疑われた.このため,乳腺円状部分切除術が施行された.永久標本では細胞異型像を認めずMIB-1 indexも低かったため最終的には良性の血管腫と診断された.乳房に発生する血管性腫瘍の大部分は悪性の血管肉腫であり良性の血管腫はきわめて稀である.血管性腫瘍は画像診断のみならず病理学的にも良悪性の確定診断に難渋する症例が多いが血管肉腫の予後がきわめて不良であることからその正しい診断および対処が非常に重要である.
著者関連情報
© 2009 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top