日本臨床外科学会雑誌
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症例
大腿静脈から留置20日目に発症した中心静脈カテーテルのmislodgingによる腹水貯留の1例
日月 亜紀子山片 重人阿古 英次金原 功西村 重彦妙中 直之
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2009 年 70 巻 7 号 p. 2190-2194

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抄録
症例は56歳,女性.腹痛にて近医を受診.イレウスと診断されイレウス管挿入となった.入院8病日に右大腿静脈より中心静脈カテーテルを挿入され輸液を投与されるも異常はなかった.当院転院11病日の未明より嘔吐・腹満が出現し,脱水の進行も認めた.腹部CT検査で後腹膜の液体貯留と腹水,カテーテルの先端の位置異常とその近傍に小さなair像を認めた.中心静脈カテーテルからの造影剤注入後,再度腹部CT検査を行ったところ,後腹膜への造影剤の漏出が認められ,静脈穿孔による後腹膜輸液に伴う腹水貯留と診断した.静脈穿孔の原因としては,腰静脈への中心静脈カテーテルの迷入によると考えられた.明らかにmislodgingが原因とされる血管外輸液の本邦報告例は,自験例が14例目であった.中心静脈カテーテルに起因する合併症は早期に発症することが比較的多いが,本症例のように留置20日後に発症することもあり注意が必要である.
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© 2009 日本臨床外科学会
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