抄録
胃切除術後には約15%に胆道結石が発生すると報告されている.腹腔鏡下胆嚢摘出術や総胆管結石に対する内視鏡的総胆管結石切石術が普及している.そこで胃切除術後の胆石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の可否や総胆管結石症例に対する治療法を1992年から2007年の胆石手術例2978例と胃切除術は2627例を対象に検討した.
有症状で治療適応とした胃切除後後胆石症例は53例(胃切除術症例の2%)であり,このうち総胆管結石併発が24例(45%)あった.胆嚢結石に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術を31例に施行し23例(74%)で完遂可能であった.総胆管結石症併発例に対しては内視鏡的総胆管結石切石術が可能な例ではこれを施行後に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行することで総胆管結石のコントロールが可能と考えられた.内視鏡的総胆管アプローチが困難な例のうち,胆道拡張例や胆管内デブリ充満例,胆管炎合併例などでは積極的な胆道消化管吻合術が必要と考えられた.