抄録
目的:われわれの施設における食道表在癌に対する非開胸による経横隔膜的食道切除術(THE)の成績を検討し,その認容性を検討した.対象:2003年4月から2009年4月まで当科で切除を行ったsm浸潤食道癌33例の治療成績を検討した.方法:cSM1までの食道表在癌で上・中縦隔にリンパ節転移の疑われない症例は,経横隔膜的食道切除を行い,これ以外の症例では右開胸での標準手術(TTE)を行った.また,病理組織診断でcSM2以上であり脈管侵襲を認める症例には補助化学放射線療法を施行した.結果:pM1,pM2が9例,pM3は2例であった.pM3の1例にはリンパ節転移を認めた.またpSM1は11例,pSM2は4例,pSM3は7例であり,リンパ節転移はそれぞれ4例(36%),2例(50%),5例(71.4%)に認めた.全症例での5年生存率は89.6%で,術式別にみるとTHEで100%,TTEで80.9%であった.深達度別にみると,pM1-2では100%,pM3-SM1で92.3%,pSM2-3では78.8%であった.結論:われわれの食道表在癌に対する適応に沿えば,THEはTTEに比べ遜色ない治療成績を得ることができた.