日本臨床外科学会雑誌
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症例
イレウス管により腸重積をきたした横行結腸癌イレウスの1例
石原 寛治金田 和久栄 政之渡辺 千絵田中 肖吾山本 隆嗣
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キーワード: 腸重積, イレウス管, 腸閉塞
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2010 年 71 巻 1 号 p. 154-158

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抄録
イレウス管は腸閉塞症の保存的治療に減圧やステントを目的として広く用いられている.一方,稀ではあるが腸穿孔や腸重積などの合併症も報告されており近年,イレウス管に起因する腸重積の報告は増加しつつある.
症例は80代女性,腹部膨満と嘔吐を主訴に受診.腹部X線写真・エコーで小腸から上行結腸の著明な拡張があり腸閉塞の診断で入院.イレウス管挿入後,精査にて横行結腸癌による腸閉塞と判明した.挿入7日目,排液の低下とともに嘔吐が始まり,左下腹部にソーセージ様の柔らかい無痛性腫瘤を触れ,腹部CTで腸重積と診断.手術ではTreitz靱帯より20cmで空腸が順行性に重積していた.
イレウス管を用いる場合,留置中・抜去後を通して腸重積をきたす可能性を念頭に置き,エコー・CTなどで腸管の状態を随時観察する必要があると考えられた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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