日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前後の化学療法で同様に抗利尿ホルモン分泌異常症候群を発症した食道癌の1例
金田 邦彦岡本 明子高松 学高橋 応典松田 武川口 勝徳
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キーワード: 食道癌, CDDP+5FU療法, SIADH
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2010 年 71 巻 1 号 p. 77-82

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抄録
抗利尿ホルモン分泌異常症候群(syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion:以下SIADH)は,ADHの異常分泌のために水分貯留が起こり,その結果,低Na血症に至る症候群である.今回,われわれは進行食道癌に対する術前化学療法としてCDDP+5FU療法(以下FP療法とする)施行中にSIADHを発症した1例を経験した.食道癌化学療法中にSIADHをきたした報告例は少なく,そのうち切除可能症例で外科的切除を行ったのは自験例を含めて4例だけであった.今後,進行食道癌に対して術前化学療法を行う機会が増加することが予想され,その際にはSIADHの発症を念頭におく必要があると考えられた.本例では根治手術後に施行した術後補助化学療法でも同様のSIADHを発症しており,発症幾序の観点からも示唆に富んでいると考えられた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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