抄録
症例は66歳,女性.嚥下困難,体重減少を主訴に前医を受診.上部消化管内視鏡検査にて胸部中部食道に腫瘍を認め,生検にて腺癌であった.腫瘍マーカーは,CEA 43.3ng/mlと高値であった.食道腺癌(Mt,3型,T3N2M0,StageIII)にて右開胸開腹胸部食道亜全摘術を行った.術後経過は良好であり,術後第21病日に軽快退院した.CEA値は正常範囲内となった.切除標本の病理学的検査では,中分化型腺癌,pT3,pN2,sM0,ly1,v0,fStageIII,CEA染色陽性で,Barrett食道は食道胃接合部から腫瘍肛門側まで認めたが腫瘍の口側にはなかった.Docetaxel/CDDP/5-FU化学療法を行ったが,術後5カ月後に肝転移と肺転移が出現した.TS-1/CPT-11併用化学療法へと変更したがstable disease(SD)であった.現在外来にて通院加療中である.