抄録
症例は64歳,男性.2004年5月胃癌に対し幽門側胃切除術を施行,T3N1P0CY1H0M0:fStageIVであった.術後TS-1による化学療法を12カ月間施行した.2005年12月臍部の違和感を訴え,腹部CT検査で肝転移と臍腫瘍を認めた.TS-1を3カ月間,Irinotecan+Cisplatinを8カ月間,Paclitaxelを7カ月間投与し,2007年7月には臍腫瘍はほぼ消失した.以降も化学療法を継続したが,9月に臍部の疼痛増強と腫瘍増大を認め,2個の肝転移巣はいずれも直径1cm以内であったことから,2007年11月に臍腫瘍切除術を施行した.切除後も化学療法を継続し,臍転移発症後3年8カ月となる2009年7月現在生存中である.臍転移はSister Mary Joseph's noduleと称され,予後不良とされているが,長期生存が得られた症例を経験したので報告する.