日本臨床外科学会雑誌
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症例
著明な膵管内進展を伴うソマトスタチン,カルシトニン産生膵内分泌細胞癌の1例
坂本 英至長谷川 洋小松 俊一郎久留宮 康浩法水 信治高山 祐一都筑 豊徳
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2010 年 71 巻 2 号 p. 512-516

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抄録
症例は64歳,男性.他疾患検査中の腹部CTで膵尾部腫瘍を指摘された.手術40日前のMagnetic resonanse cholangiopancreatographyでは主膵管は膵尾部で途絶しているのみで途絶部より乳頭側の膵管に異常は認めなかった.血清ソマトスタチンおよびカルシトニン値の上昇を認めた.膵体尾部脾合併切除を施行した.術中主膵管内に腫瘍栓を認め,2回の追加切除にて断端を陰性にすることができた.切除標本にて腫瘍辺縁から頭側へ約4cmの膵管内腫瘍栓を認めた.組織学的にはwell differentiated endocrine carcinomaで免疫組織学的にソマトスタチン,カルシトニンが陽性であった.本症例は比較的短期間に膵管内腫瘍栓を形成したものと考えられた.臨床的にソマトスタチンおよびカルシトニンを同時に分泌する内分泌腫瘍の報告はまれであり文献的考察を加えた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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