日本臨床外科学会雑誌
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原著
大腸癌に対する腹腔鏡手術と開腹手術の術後中期健康関連QOLの比較
藤井 正一山岸 茂大田 貢由辰巳 健志渡辺 一輝諏訪 宏和大島 貴永野 靖彦市川 靖史國崎 主税大木 繁男遠藤 格
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2010 年 71 巻 3 号 p. 634-642

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抄録

大腸癌に対する腹腔鏡手術(LC)の健康関連生活の質(HQOL)の中期成績を評価することを目的に開腹手術(OC)と比較した.方法はcase-matched control studyとし,変数は性別,年齢(±10歳),ASA score(±1),手術年,部位(右側,横行,左側,直腸S状結腸および直腸),術式,TNM stage分類(0,I,II,III,IV)を合致させた.2007-2008年施行の術後12-24カ月経過症例に対しSF-36(自己記入式アンケート)で評価したHQOLと,術後回復期間を両群間で比較した.死亡例および同意が得られなかった患者を除いたLC43例とOC35例が対象であった.アンケート回答率は83.3%(LC83.7%,OC82.9%)で,両群の患者背景に差を認めなかった.下位尺度(LC:OC)のうち日常役割機能(身体)(52.0:45.1),日常役割機能(精神)(52.6:46.2)で,順序尺度の健康推移(72.9:59.5)で有意にLCが良好であった.他の項目では有意差を認めなかった.LCは同条件下では術後中期間の時点でOCよりも日常役割機能(身体と精神)と健康推移の面で良好なHQOLを示した.

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© 2010 日本臨床外科学会
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