日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
内視鏡的・外科的ポリープ切除を施行したPeutz-Jeghers症候群の1例
蒲生 佳代山本 義一高石 聡佐久間 洋一舟波 裕飛田 浩司
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 71 巻 3 号 p. 722-726

詳細
抄録

小腸重積を繰り返したPeutz-Jeghers症候群の1例を経験したので報告する.症例は22歳女性.2001年に小腸重積を発症し重積解除・ポリープ切除術を施行された.家族歴,色素斑および組織学的所見よりPeutz-Jeghers症候群と診断された.2006年に再度小腸重積を発症し,保存的治療にて軽快したが,その後の消化管造影にて小腸ポリープが確認された.2007年に経口的小腸内視鏡を用いてポリープ切除をしたが,Treitz靱帯付近の4cm大のポリープのみは切除不可能であった.2008年5月に3回目の小腸重積で入院し,手術を施行.5カ所の重積を解除後,小腸ポリープ計20個を切除した.小腸内視鏡で全てのポリープを切除することはできなかったが,2回の手術いずれにおいても腸切除を避け,短腸症候群のリスクを減らすことができた.今後も定期的な観察・治療が必要と考えられる.

著者関連情報
© 2010 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top