日本臨床外科学会雑誌
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症例
Oxaliplatinによる薬剤性血小板減少症の2例
安原 功新田 泰樹保田 紘一郎丸山 昌伸赤在 義浩
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2010 年 71 巻 4 号 p. 913-917

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抄録

症例1は50歳,女性.切除不能進行横行結腸癌に対し,mFOLFOX6施行中であった.15コース目のoxaliplatin(以下L-OHP)投与7時間後,出血症状をきたしPlt 0.5×104/μlと著明な血小板減少を認めた.血小板輸血とステロイド投与により徐々に血小板数は改善した.Platelet associated IgG(PAIgG)値が高値を示し,drug lymphocyte stimulation test(DLST)にてL-OHPで陽性であったことから,L-OHPによる薬剤性血小板減少症と診断した.症例2は48歳,男性.切除不能進行直腸癌に対しmFOLFOX6施行中であった.21コース目のL-OHP投与7時間後,紫斑出現しPlt 0.1×104/μlと著明な血小板減少を認めた.症例1と同様の治療にて改善した.DLSTにてL-OHPで陰性であったが,PAIgG値が高値であること,臨床経過からL-OHPによる薬剤性血小板減少症と診断した.

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© 2010 日本臨床外科学会
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