抄録
症例は86歳,女性.繰り返す総胆管結石の発作に対し,内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(ERBD)チューブを挿入した.チューブ挿入後29日目に突然腹膜炎を伴う腹痛を呈し当科受診した.CTにてfree air,腹水の他にS状結腸に多数の憩室とERBDチューブを認めた.以上よりERBDチューブ逸脱によるS状結腸穿孔の診断で緊急手術を行った.開腹所見はS状結腸に穿孔部を認め同部にERBDチューブの先端を触知した.周囲S状結腸にも憩室を認め,穿孔部を切除してハルトマン手術を施行した.術後経過は良好で,術後31日目に退院となった.ERBDチューブは逸脱しても通常は便とともに排泄されるが,本症例のように稀ではあるが憩室穿孔をきたす可能性があるので注意深い観察が必要である.