医師不足が問題とされる中,医学部に入学する女子学生および国家試験に合格する女性医師の割合は年々増加している.外科に占める女性の割合も増加し,性差医療の観点から女性外科医師のニーズも高まっているが,女性医師が働くにあたっての障壁は多々ある.女性医師の支援制度が現在数多くの大学病院において施行されている.これらの支援は近年の国の支援事業に基づき施行されたものが多い.本稿では大学病院における女性医師支援策の実態と,一例として東京慈恵会医科大学で設置された育児・介護支援ワーキンググループの活動内容を紹介する.今後も各大学病院において施設・制度の充実だけでなく,社会環境・考え方の改革も視野に置き女性医師が実践力として働き続けられるよう改善を進める必要があると思われる.