日本臨床外科学会雑誌
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症例
遅発性外傷性横隔膜ヘルニア嵌頓の1例
平間 公昭久保田 穣山谷 信鳴海 俊治高野 歊
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2010 年 71 巻 7 号 p. 1748-1753

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抄録
外傷性横隔膜ヘルニア嵌頓はまれな疾患で,本邦で23例の文献報告がある.症例は31歳,男性.嘔吐後に激しい心窩部痛が出現し当院救急外来を受診した.5年前交通事故による多発外傷の既往があった.腹膜刺激症状は無く,H2-ブロッカー・絶飲食で治療したが症状が持続し,胃内視鏡・胃透視で胃の形態学的異常および造影剤の流出不良を認め,手術を施行した.腹腔鏡で左横隔膜を通じて胃の胸腔内への脱出を認め,外傷性横隔膜ヘルニアの診断を得た.開腹に切り替え,ヘルニア門を開大し胃を腹腔内に引き戻した後,ヘルニア門を縫合閉鎖した.本症例は事故後度々食後の上腹部痛を自覚していた.左横隔膜損傷部に癒着あるいは軽度脱出していた胃が,嘔吐による腹腔内圧の上昇で,急激に大部分が胸腔内に脱出したと考えられた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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