抄録
症例は64歳,男性.上腹部痛を主訴に受診した.上部消化管内視鏡で胃体部小弯に2型腫瘍を認めた.内視鏡下生検では悪性診断には至らなかったが,高度のリンパ節転移を伴う進行胃癌を考えて胃全摘術+D3郭清を行い,術後病理診断にて胃小細胞癌と診断された.術後にTS-1を内服するも,1年後に肝転移再発し肝切除術を行った.その後low dose FP肝動注療法をbiweeklyで長期に行い,その治療中に,CTで2度の肝転移再発を認めたが,regimenを変更することなく数カ月後には消失した.その後は再発を認めず初回手術から5年生存が得られた.
胃小細胞癌に対する確立された治療はなく,予後不良とされているが,最近では長期生存例の報告も散見される.われわれは積極的な根治切除,肝転移に対する肝切除や肝動注化学療法などの長期局所コントロールが有効な治療の1つではないかと考えた.