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日本臨床外科学会雑誌
Vol. 71 (2010) No. 7 P 1828-1831

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http://doi.org/10.3919/jjsa.71.1828

症例

症例は81歳,男性.肛門出血を主訴に当院を受診.大腸内視鏡検査で,下部直腸に左壁を中心とする半周性の隆起性腫瘍を認めた.腫瘍表面は発赤しており,易出血性であった.同部位の生検組織から印環細胞癌が確認された.胸腹部CTでは遠隔転移の所見は認められず,前立腺を含む周囲臓器にも異常所見はなかった.原発性直腸癌の診断で,腹会陰式直腸切断術を施行した.切除標本では,下部直腸左壁に最大径6cmの境界不明瞭な不整陥凹性病変を認めた.さらに口側にも,やや強い発赤調の陥凹を認めた.病理組織検査では,いずれの病変においても,小型で腺管形成の不明瞭な腺癌が粘膜から外膜にかけて浸潤していた.その細胞質は淡明であり,PSA染色で陽性であった.以上から,前立腺癌直腸転移と診断した.

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