日本臨床外科学会雑誌
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症例
人工膜を用いて修復した成人横隔膜ヘルニアの3例
鈴木 研裕柵瀬 信太郎武田 崇志須藤 一起塩崎 弘憲小野寺 久
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2010 年 71 巻 8 号 p. 2005-2010

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抄録
今回われわれは,比較的稀な成人発症の横隔膜ヘルニアに対して,腹腔側に接する部分がexpanded polytetrafluoroethylene(以下ePTFEと略す)から成る2層性の人工膜を用いて修復した3例を経験したので報告する.
(症例1)45歳女性.健診で胸部異常陰影を指摘され来院.消化管造影にて腸回転異常症を伴うBockdalek孔ヘルニアと診断.開腹したところ欠損部は8×8cmでePTFE bonded meshにて修復した.(症例2)69歳女性.入院中排便時に腹痛・呼吸苦が出現.Bockdalek孔ヘルニア嵌頓の診断にて緊急開腹術を施行.欠損孔は7×5cmでePTFE bonded meshにて修復した.(症例3)36歳女性.繰り返す嘔吐の精査で見つかった食道裂孔滑脱ヘルニアに対し開腹術施行.ヘルニア門は10×6cmで,縫縮した後にePTFE bonded meshにて補綴した.横隔膜ヘルニアに対してはヘルニア門を単純縫合することが多いが,欠損孔が大きな場合にはePTFE製人工膜を用いた修復が有効であると考えられた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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