抄録
症例は80歳,男性.脳梗塞で近医入院中に腹部腫瘤を疑われ,精査加療目的にて当院紹介となった.精査でも確定診断には至らず,診断も兼ねた手術を施行した.腫瘍は膀胱前腔から腹膜前腔に存在し,表面平滑な小児頭大の巨大腫瘤を呈していたが,消化管や腸間膜との癒着は認めなかった.膀胱頂部と強固に癒着しており剥離は困難であったため,正中臍索を切離し,膀胱部分合併切除にて腫瘤を摘出した.免疫組織学的検査で尿膜管起源の低悪性度粘液性腫瘍の診断に至った.本疾患は非常に稀であり有効な治療法は確立されておらず,若干の文献的考察を加えて報告する.