日本水処理生物学会誌
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多環芳香族炭化水素類の底質中における分解性
塚谷 裕子梶原 佑介馬場 義輝
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2007 年 43 巻 4 号 p. 199-207

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抄録
多環芳香族炭化水素類(PAHs)汚染底質の処理を目的として、福岡県で採取した底質におけるPAHsの分解能の検討を行った。県内18地点の底質のうち、PAHs含有濃度により3地点を選び(No.1 低濃度、No.2 中程度濃度、No.3 高濃度;18地点中)、この3底質に15種類のPAHsを添加し、20度暗室で4週間培養実験を行った。ナフタレン、アセナフテン、フルオレン、フェナンスレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、ベンツ(a)アントラセン及びクリセンにおいて、No.1の底質で最もPAHs含有量の減少が確認された。No.3の底質は、2002~2003年に行われた調査の際13PAHsの汚染が確認され特にナフタレン(19,000μg/g-dry soil)を高濃度含有する汚染地域の河川下流で採取したものであるが、No.3の底質よりもNo.1の底質でより高いPAHsの減少傾向が認められた。また、培養実験開始時と実験後での酸化還元電位を調べたところ、No.1が最も還元状態になりにくく、底質におけるPAHsの酸化的分解に最も適しているものと推察された。No.1の底質における上記9PAHsの半減期は、3~36日であった。
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© 2007 日本水処理生物学会
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