抄録
症例は80歳,女性.2010年3月に急激に増悪する上腹部圧迫感と呼吸苦を自覚し当院受診し,上腹部に巨大腫瘤を触知したことから緊急入院となった.入院時採血結果では,Hb値10.4g/dlと低値であった.腹部造影CT検査では,胃大弯側に接する嚢胞性成分と充実性成分を有する長径18.5cm大の巨大腫瘤が認められた.上部消化管内視鏡検査では,胃粘膜面は正常であり腫瘍性変化は認めず,十二指腸球部にA2潰瘍を認めた.腹部血管造影では,右胃大網動脈を栄養血管とする多結節状腫瘤であった.胃原発壁外発育型gastrointestinal stromal tumor(以下GIST)と診断し,潰瘍の治癒を待ち2010年4月に胃部分切除を伴う腫瘤摘出術を施行した.嚢胞内容液は血性であった.病理組織検査で,紡錘形細胞と類円形細胞の両方を認め,免疫染色ではKIT陽性であった.今回われわれは嚢胞性変化を呈した壁外性発育型巨大胃GISTに対し手術的に切除した症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.