日本臨床外科学会雑誌
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症例
水腎症と腸閉塞を合併し悪性腫瘍との鑑別が困難であったS状結腸憩室炎の1例
石橋 雄次若林 和彦渡邊 慶史大森 敬太伊藤 豊
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キーワード: 大腸憩室炎, 水腎症, 腸閉塞
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2011 年 72 巻 12 号 p. 3094-3097

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抄録
患者は59歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に来院した.腹部造影CT検査でS状結腸の壁肥厚,同部位での完全閉塞を認めた.また左水腎症を認めた.注腸検査では上部直腸からS状結腸にかけて約5cmの狭窄を認めた.画像検査から尿管を含め後腹膜に浸潤を伴うS状結腸癌と診断し手術を施行した.開腹時S状結腸から上部直腸は著明な浮腫を認め,膀胱,後腹膜に癒着し一塊となっていた.左尿管はS状結腸に強固に癒着していたが剥離可能であり,低位前方切除術を施行した.切除標本の粘膜面に腫瘍は存在せず,憩室を認めた.病理検査では粘膜下への炎症細胞浸潤を伴う浮腫性変化と線維化を認め,憩室炎と診断した.今回われわれは水腎症と腸閉塞を合併し,悪性腫瘍との鑑別が非常に困難であったS状結腸憩室炎の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
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© 2011 日本臨床外科学会
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