日本臨床外科学会雑誌
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症例
CEA,CA19-9が偽陽性を呈した糖尿病併存大腸癌の1例
五十嵐 雅仁若林 和彦大森 敬太石橋 雄次伊藤 豊
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2011 年 72 巻 2 号 p. 430-433

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抄録
症例は80歳,女性.S状結腸癌の診断で某年6月に手術を施行した.StageIIIbのためUFT-E400mg/dayを内服していた.術後8カ月頃より全身状態悪化し,体重が4カ月で約4kg減少した.術後1年目にCT検査,大腸内視鏡検査を施行し明らかな再発所見は認めなかったが,血液検査上CEA 6.0ng/ml,CA19-9 44.6U/mlと上昇を認めた.1カ月後にはCEA 6.7ng/ml,CA19-9 81.4U/mlとさらに上昇した.PET-CT検査を予定したが,当日の血糖値が358mg/dlのために中止となった.また空腹時血糖441mg/dl,HbAlc 10.2%と糖尿病を指摘され糖尿病内科に入院となった.糖尿病安定後は全身倦怠感は改善した.その後はCEA 2.2ng/ml,CA19-9 20.5U/mlと改善し,PET-CTでも明らかな再発,転移所見を認めなかった.このため腫瘍マーカーの一過性の上昇は糖尿病が原因と考えられた.今回糖尿病により複数の腫瘍マーカーが偽陽性を示した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2011 日本臨床外科学会
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