日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前診断し,腹腔鏡下手術を行った子宮広間膜裂孔ヘルニアの1例
赤松 道成蔵下 要古波倉 史子伊志嶺 朝成長濱 正吉西巻 正
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2011 年 72 巻 2 号 p. 490-493

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抄録
子宮広間膜裂孔ヘルニアは比較的まれな疾患であり,術前診断が困難で,開腹され腸切除になることが多い.今回われわれは腹部CTにて術前診断が可能で,腹腔鏡下にて手術しえた子宮広間腹裂孔ヘルニアの1例を経験したので報告する.
症例は47歳,女性.腹痛,嘔吐を主訴に当院を受診.イレウス管を挿入して保存的治療を試みたが改善せず,イレウス管より小腸造影を施行した.骨盤底に狭窄部があり,腹部CTで同部に子宮右側の支持組織による腸管の狭窄像を認めた.子宮広間膜裂孔ヘルニアと診断し腹腔鏡下にイレウス解除術を施行した.術後経過は良好で第5病日に退院となった.
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© 2011 日本臨床外科学会
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