日本臨床外科学会雑誌
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症例
頸部腫脹をきたした術後乳糜漏に対し酢酸オクトレオチドが著効をみた1例
黒川 貴則金井 基錫大久保 哲之金子 行宏高橋 弘本原 敏司
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キーワード: オクトレオチド, 乳糜漏
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2011 年 72 巻 3 号 p. 572-578

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抄録
症例は68歳,女性.半年前より高カルシウム血症を指摘されるも放置していた.悪心・全身倦怠感にて当院受診し,精査加療目的に入院となった.インタクトPTH値が高値を示し,CT,MIBIシンチの所見より原発性副甲状腺機能亢進症の診断で右下腺摘出術を施行した.術後第1病日の経口摂取開始後よりドレーンから乳糜の流出を認めた.頸部腫脹,呼吸困難も出現したため,乳糜流出周囲組織の縫合結紮および再ドレナージ術を施行した.14日間の絶食,完全静脈栄養にて乳糜の流出は減少したため,脂肪制限食が開始となった.経口摂取開始後より再度多量の乳糜流出を認めたため,酢酸オクトレオチドの間欠的皮下投与を行った.投与2日目より乳糜の流出は減少し,7日間の投与で治癒が得られた.今回頸部腫脹をきたした術後乳糜漏に対し,酢酸オクトレオチドが著効した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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© 2011 日本臨床外科学会
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