日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃切除後に遅発性乳糜腹水を発症した2例
川村 秀樹谷岡 利朗舩越 徹石津 寛之岡田 邦明高橋 昌宏
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2011 年 72 巻 5 号 p. 1122-1125

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抄録
術前化学療法後に胃切除を施行し,乳糜腹水を発症した2例を経験した.症例1:66歳,男性.大動脈周囲リンパ節転移,右鎖骨上リンパ節転移を認めS-1+CDDPを2クール施行し画像上リンパ節転移は消失.幽門側胃切除,D2+化療効果判定のため16b2リンパ節を切除.術後1カ月から乳糜腹水が顕在化し,その後3カ月の保存的治療を行うも治癒せず手術を施行.術中,明らかな乳糜の漏出点は認めず,有効な外科治療は不能.その後2週間の保存的治療で軽快.症例2:64歳,男性.大動脈周囲リンパ節転移を認め術前化学療法としてS-1+CDDPを3クール施行し画像上リンパ節転移は消失.症例1と同様の手術を施行.術後1カ月から乳糜腹水を発症し2カ月の保存的治療で軽快.これまで大動脈周囲リンパ節転移陽性胃癌7例に術前化学療法を行ったが,その内2例に乳糜腹水が発症した.大動脈周囲リンパ節転移陽性胃癌に対する術前化学療法は術後乳糜腹水のリスクを高める可能性がある.
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© 2011 日本臨床外科学会
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