抄録
症例は75歳,女性.高血圧および糖尿病にて当院内科通過中であった.2010年3月頃より臍のしこりを自覚し,5月に当院形成外科を受診した.生検を施行されるも確定診断には至らなかった.その後CT等にて精査を行い,20mm大の臍部腫瘤と,50mm大の膵体部腫瘍を認めたため,臍転移をきたした膵体部癌,いわゆるSister Mary Joseph's noduleと診断した.臍以外に明らかな転移を認めなかったため,手術目的に当科紹介となり,7月に膵体尾部切除・臍腫瘍摘出術を施行した.臍の悪性腫瘍は多くは転移性で,予後不良の兆候とされる.今回われわれは膵体部癌から臍転移をきたした1例を経験したので報告する.