日本臨床外科学会雑誌
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原著
セルフグリップメッシュ法による鼠径ヘルニアの治療成績
三橋 登石井 隆之大多和 哲清水 善明近藤 英介西谷 慶伊藤 勝彦横山 航也清水 公雄芦沢 陽介升田 貴仁小川 清
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2011 年 72 巻 7 号 p. 1667-1672

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抄録

鼠径ヘルニアの手術術式はtension free法が報告されてから,そのメッシュの素材・形状・配置する位置などの変遷を経て進化し続けている.最近Lichtenstein法のためのセルフグリップメッシュであるParietex ProGrip(Covidien)が発表された.ProGripの評価を行う目的で,当院での鼠径ヘルニア手術症例におけるProGrip,Mesh Plug,Direct Kugelの使用とその結果についてretrospectiveに比較検討した.手術時間はProGrip群39.9分,Mesh Plug群50.1分,Direct Kugel群55.3分とProGrip群で有意に短く,合併症については有意差を認めなかった.ProGripについての報告は本邦では初めてであり,その使用は手術時間の短縮が可能であり,鼠径ヘルニア手術において有用であると考えられた.

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© 2011 日本臨床外科学会
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