抄録
神経鞘腫はSchwann細胞に由来する腫瘍で頭頸部や四肢に好発し,消化管,中でも大腸に発生することは少ない.今回われわれはFDG-PETで集積亢進を認めたS状結腸神経鞘腫の1例を経験したので報告する.
症例は75歳女性で,頻便を主訴に当科を紹介受診した.下部消化管内視鏡にてS状結腸に粘膜下腫瘍を指摘された.FDG-PETにおいて同部に集積亢進が認められたため,GIST,悪性リンパ腫などの悪性腫瘍を疑い,腹腔鏡下S状結腸切除術が施行された.病理診断は神経鞘腫で悪性所見は認められなかった.
FDG-PETは腫瘍の糖代謝を反映した検査であり,近年は悪性腫瘍の診断にも利用される.しかし神経鞘腫では良性であっても本症例のようにFDG-PETでの集積亢進の報告が散見されるため,診断においては注意を要すると考えられた.