日本臨床外科学会雑誌
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症例
感染性心内膜炎による脾梗塞が原因と考えられた脾膿瘍の1例
三宅 聡一郎國土 泰孝渡辺 信之村岡 篤立本 昭彦津村 眞
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キーワード: 感染性心内膜炎, 脾膿瘍
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2011 年 72 巻 7 号 p. 1853-1857

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抄録
症例は50歳,男性.発熱・腹痛を主訴に来院・腹部全体の圧痛と炎症反応,糖尿病を認め,腹部CT,超音波検査で脾臓に嚢胞性病変を認め脾膿瘍と診断した.抗生剤投与後も改善せず,入院3日目に経皮的持続ドレナージを開始した.灰白色の膿汁約1,500mLを吸引し,細菌検査で口腔内常在菌であるStreptcoccus sanguinis・oralisを検出した.入院32日目高熱,呼吸・循環状態が悪化したため遷延する敗血症と診断し,入院38日目に脾臓摘出術を施行した.病理標本では細菌塊による脾梗塞所見を認めたため感染性心内膜炎を疑い心エコーを施行した.僧帽弁前尖に疣贅と重度の僧帽弁閉鎖不全症を認めたため,それに起因する心不全と診断し転院.摘脾後14日目に僧帽弁置換術を施行した.
口腔内常在菌による感染性心内膜炎が脾梗塞・脾膿瘍の原因と考えられた1例を経験したので報告する.
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© 2011 日本臨床外科学会
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