日本臨床外科学会雑誌
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症例
血小板減少を契機に発見された脾臓浸潤を伴う膵腺房細胞癌の1例
亀井 敬子安田 武生山崎 満夫石川 原中居 卓也竹山 宜典
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2011 年 72 巻 7 号 p. 1848-1852

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抄録
症例は55歳,男性.左上腹部痛を主訴に近医受診.その際の血液検査にて血小板減少を指摘され,以後,血小板減少症,脾腫,門脈圧亢進症の診断にて経過観察されていた.しかし,初発から17カ月後の腹部CT検査にて脾臓浸潤を伴う膵尾部腫瘍を認めたため当科へ紹介入院となった.入院時検査所見では血小板7.8×104/μlと減少を認めた.腹部CT所見では膵尾部に脾臓へ浸潤している長径約7.5cmの造影不均等な腫瘍像と脾静脈閉塞を認め,FDG-PET検査でFDGの強い集積を認めた.膵腺房細胞癌を疑い,膵体尾部脾合併切除術を施行した.病理検査では腺房細胞に類似する腫瘍細胞を認め,免疫染色でtrypsin陽性であり膵腺房細胞癌と最終診断した.脾静脈閉塞は脾機能亢進による血小板減少をきたすことは知られているが,本症例のように血小板減少を契機に診断された膵腺房細胞癌の報告例はなく,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2011 日本臨床外科学会
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