日本臨床外科学会雑誌
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症例
多発肝転移・脾静脈腫瘍栓を伴ったmixed acinar-endocrine carcinomaの1例
橘高 弘忠高橋 秀典大東 弘明石川 治冨田 裕彦矢野 雅彦
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2012 年 73 巻 1 号 p. 130-134

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抄録
45歳,女性.貧血の原因精査中に脾静脈腫瘍栓を伴う膵尾部腫瘍,多発肝腫瘍を指摘された.肝腫瘍生検はwell differentiated endocrine carcinomaの結果であり,膵内分泌癌多発肝転移の診断で紹介された.肝転移巣はhypervascular tumorであることから肝動脈塞栓化学療法を施行した.経過観察のCTにて肝転移巣に対する良好な局所制御効果が確認されたため,原発巣に対する切除術を施行した.主腫瘍は膵尾部に主座を置き,脾静脈内,胃脾間膜内の静脈内に腫瘍栓を形成しつつ進展しており,これらの腫瘍栓を含めen blocに膵体尾部切除を施行した.病理組織免疫染色ではtrypsin(+,90% of tumor cells),chromogranin A(+,40-50%),synaptophysin(+,20-30%)でありmixed acinar-endocrine carcinomaと診断された.術後2年を経過し肝転移巣も良好に制御されており,新たな病巣は認めていない.
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© 2012 日本臨床外科学会
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