イヌ回虫が原因と考えられた肝膿瘍の1例

坂本 安見子; 岡村 茂樹; 齋藤 誠哉; 松下 弘雄; 西村 卓祐; 木村 正美

doi:10.3919/jjsa.73.97

症例

イヌ回虫が原因と考えられた肝膿瘍の1例

坂本安見子, 岡村茂樹, 齋藤誠哉, 松下弘雄, 西村卓祐, 木村正美

著者情報

キーワード: 肝膿瘍, イヌ回虫

ジャーナルフリー

2012 年 73 巻 1 号 p. 97-101

DOI https://doi.org/10.3919/jjsa.73.97

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抄録

症例は53歳，男性．上腹部痛を契機に超音波検査とCT検査にて複数個の肝占拠病変が発見された．初診時好酸球増多と軽度の肝機能障害を認め，CEA軽度高値であったため転移性肝癌との鑑別の目的で肝占拠病変に対し針生検を行ったところ好酸球性膿瘍の所見であった．血清学的検査ではイヌ回虫抗体が高値であり，イヌ回虫による肝膿瘍が疑われた．標準治療薬であるアルベンダゾール内服により白血球数，肝エコー所見，肝機能の改善を認めた．本症例は普段より猪や鹿肉の生食を好み，これが感染源であったと推測された．

責任著者(Corresponding author)

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