日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前診断した遊走脾茎捻転の1例
大塚 新平磯谷 正敏原田 徹金岡 祐次前田 敦行高山 祐一
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キーワード: 遊走脾, 術前診断, 術後管理
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2012 年 73 巻 10 号 p. 2669-2673

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抄録
症例は25歳,女性.精神運動発達遅滞と胃軸捻転の既往がある.2日前から続く腹痛と発熱を主訴に外来受診した.腹部膨満,全体に圧痛を認めた.血液検査では白血球21,900/μl,CRP 18.9mg/lと高度の炎症反応を認めた.造影CTでは上腹部~骨盤内に造影されない著明に腫大した脾臓と脾門部で捻転した脾動静脈を認めた.遊走脾茎捻転による脾梗塞の診断で同日緊急手術を施行した.開腹所見では,脾臓と膵臓は後腹膜に固定されておらず遊離した状態で,脾門部で時計回りに3回転半捻転していた.また盲腸,上行結腸,下行結腸,S状結腸も後腹膜に固定されていなかった.遊走脾茎捻転および総腸間膜症の診断で脾臓摘出術,虫垂切除術を施行した.脾臓は1.2kgで病理組織学的検査では出血性梗塞を呈しており広範な壊死を認めた.術後は一過性の血小板増加を認めアスピリン内服を行った.また肺炎球菌ワクチン接種を退院前に行った.
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© 2012 日本臨床外科学会
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