日本臨床外科学会雑誌
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症例
脾破裂をきたした悪性リンパ腫の1例
西 智史平野 龍亮笹原 孝太郎田内 克典樋口 佳代子
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2012 年 73 巻 10 号 p. 2674-2678

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抄録
症例は73歳,男性.外傷歴はなく,左上腹部痛を主訴に前医を受診し,急性腹症の診断で当院紹介となった.腹部造影CTにて脾腫と,肝,脾周囲,骨盤腔に高濃度液体貯留を認め非外傷性脾破裂と診断し緊急手術を施行した.悪性リンパ腫やその他悪性腫瘍を考慮し脾摘術を行った.術中迅速診断では悪性リンパ腫の診断であった.また末梢血液像で異型リンパ球を認めた.術後9日目頃より急激に状態が悪化し,悪性リンパ腫の急性増悪が考えられた.悪性リンパ腫に対しステロイド投与を開始し軽快した.病理診断はCD20陽性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であった.その後CHOP療法を1クール施行し術後30日目退院となった.R-CHOP療法を8クール施行し術後14カ月再発を認めていない.早期診断と治療を兼ねた脾摘術が治療の選択肢となった悪性リンパ腫による脾破裂の1例を経験したので報告した.
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© 2012 日本臨床外科学会
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