抄録
症例は72歳,女性.近医の腹部超音波検査で2011年2月に肝外門脈に瘤径40mmの門脈瘤を指摘されたが無症状であり,外来にて経過観察されていた.同年3月に行われた腹部超音波検査にて肝外門脈瘤は内部に血栓を伴わないものの径53mmと増大しており,門脈瘤完全切除術を施行した.門脈瘤は肝外,肝内の部分的な拡張を特徴とする稀な血管異常である.無症状であることが多く経過観察が基本とされているが,有症状,血栓形成例,経過観察中の増大例や進行した慢性肝疾患を基礎疾患とする症例では外科的治療の適応となると考えられる.また,進行した慢性肝疾患が併存する際には脾臓摘出術やシャント術を同時に施行することにより門脈血流の改善を図ることも考慮すべきである.