抄録
症例は71歳,女性.2007年より当院血液内科で真性多血症の治療中であった.2010年,便潜血陽性に対して大腸内視鏡でS状結腸に隆起性病変を認めたため,内視鏡下に粘膜切除術を施行した.病理組織学的検査で粘膜下層への浸潤が認められたため,追加切除目的に当科紹介となった.術前はハイドロキシウレアの継続と合計900mlの瀉血によりHb 15%,Ht 50%にコントロールし,単孔式腹腔鏡補助下結腸切除術を施行した.術後は抗凝固薬フォンダパリヌクスナトリウムによる血栓塞栓症予防を行った.周術期に合併症は認めず,術後2年経過したが真性多血症の増悪や癌再発などは認めていない.真性多血症合併S状結腸癌に対して,術前術後の管理により安全に手術が可能であった.