日本臨床外科学会雑誌
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症例
FDG-PET高集積を示した後腹膜神経鞘腫の1例
平賀 理佐子小出 直彦小松 大介宮川 眞一
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キーワード: 神経鞘腫, 後腹膜, FDG-PET
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2012 年 73 巻 11 号 p. 2983-2988

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抄録

症例は63歳,女性.腹部腫瘤を主訴に来院した.腹部CTでは大動脈分岐部後腹膜に直径13cmの境界明瞭で内部不均一な腫瘍を指摘された.MRIでは充実成分と嚢胞成分が混在した辺縁平滑な腫瘍であった.FDG-PETでは腫瘍に一致してSUV max 8.5の高集積を認め,delayed phaseでも9.5の強い集積が持続した.後腹膜腫瘍の診断のもと手術を施行した.後腹膜に存在する境界明瞭で弾性軟な腫瘍で,小腸や結腸との連続性は認められなかった.切除標本の腫瘍サイズは12.5×10.5×8.5cmで,割面は黄色調で,嚢胞形成を認めた.病理組織検査,免疫染色より後腹膜神経鞘腫と診断された.本例はFDG-PET高集積を示した神経鞘腫で,PET所見が記載された本邦報告の後腹膜神経鞘腫9例のPET所見の考察を加えて報告した.

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© 2012 日本臨床外科学会
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