日本臨床外科学会雑誌
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症例
胆管浸潤に伴い肝内に広汎な炎症性変化をきたした大腸癌肝転移の1例
徳永 尚之稲垣 優木村 裕司岩垣 博巳園部 宏
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2012 年 73 巻 12 号 p. 3226-3230

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抄録

症例は68歳,男性.他院にて上行結腸癌に対し右半結腸切除術を施行された後3年間の化学療法を経て経過観察となっていた.術後4年6カ月が経過し,右季肋部痛を主訴に当院紹介となった.腹部CTにて肝内側区域(S4)に径4cm大の腫瘤性病変が認められ左肝管内に腫瘍浸潤が確認された.肝左葉内にlow densityな小結節の散在も認められた.肝内胆管癌が強く疑われ胆管切除を伴う肝拡大左葉切除術が施行された.病理組織検査では腫瘍は中分化型腺癌で,肝左葉内の多発小結節は強い炎症細胞浸潤と線維化の結果とされた.腫瘍はCytokeratin(以下CKと略記)による免疫染色の結果,CK7陰性・CK20陽性と腸型の特徴を示したことから最終的に大腸癌肝転移と診断された.胆管浸潤や脈管浸潤は肝内胆管癌に特徴的とされているが大腸癌肝転移にも時に認められることがあり両者の鑑別には注意が必要である.

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© 2012 日本臨床外科学会
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