日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳癌肝転移切除後の残肝再発に対し再肝切除が有効であった1例
長井 美奈子高 済峯小林 豊樹中村 卓榎本 泰典中島 祥介
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キーワード: 乳癌, 肝転移, 肝切除
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2012 年 73 巻 12 号 p. 3235-3238

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抄録

症例は68歳,女性.2001年5月に左乳癌に対しBp+Ax施行.術後放射線療法後,CMF療法を行ったが,乳癌切除2年後に肝右葉に再発を認め,他院で2002年7月に肝右葉切除術を施行.HER2陽性であったため2002年8月よりTrastumab+Paclitaxel療法とAnastrozoleを開始.その後,Trastumab単独投与を行うが2005年6月に残肝再発を認めた.レジメンを変更し化学療法を行うも,肝転移巣は徐々に増大傾向となった.長期にわたる化学療法の副作用による苦痛のため化学療法の継続を患者が拒否されたこと,また全経過中,肝外には再発巣を認めなかったことより2007年12月,肝切除後の残肝転移に対して再肝切除術を施行.その後は無治療で経過中であるが,再肝切除後3年を経過した現在再発を認めていない.乳癌肝転移切除後残肝再発に対し,再肝切除が有効であった貴重な症例と思われ報告する.

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© 2012 日本臨床外科学会
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