日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹水中アミラーゼ高値を伴った特発性胆嚢穿孔の1例
福山 啓太石川 順英上田 祐也荻野 哲朗西平 友彦
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2012 年 73 巻 12 号 p. 3239-3243

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抄録

胆嚢炎などの先行病変がなく胆嚢穿孔をきたす特発性胆嚢穿孔は比較的まれである.症例は57歳女性で急性発症の腹痛のため当院に搬送された.画像診断で消化管穿孔,腹膜炎と診断し緊急手術を施行,開腹所見で胆汁性腹膜炎と診断した.胆嚢を穿刺し色素を注入すると胆嚢体部からの色素の漏出を認めた.胆石や胆嚢炎などの所見を認めず特発性胆嚢穿孔と診断し胆嚢摘出術を実施した.標本の肉眼像で体部粘膜に5mmの潰瘍を認め,病理組織学的に同部の粘膜,筋層の途絶を認めた.潰瘍部の壁内小血管に炎症細胞浸潤とfibrinoid壊死が認められ血管炎の関与が示唆された.腹水中アミラーゼ値は31,800IU/Lと高値であった.画像上急性膵炎や胆管膵管合流異常を認めず胆管膵液逆流により穿孔した胆嚢内に高濃度のアミラーゼが存在したと考えられた.腹水中アミラーゼ値が高値を呈する急性腹症において胆嚢穿孔も鑑別診断に含まれるべきと思われた.

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