日本臨床外科学会雑誌
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症例
早期胆嚢癌術後に胆管癌が発生した胆管非拡張型膵胆管合流異常症の1例
小森 和幸村山 道典小川 均宇都宮 勝之冨松 聡一井上 公俊佐藤 仁哉松熊 晋
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2012 年 73 巻 12 号 p. 3249-3254

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抄録

症例は72歳,女性.2006年12月,胆管非拡張型の膵胆管合流異常症を合併する早期胆嚢癌に対し,胆嚢摘出術を施行した.病理組織学的には乳頭腺癌であり,進展度はm-RAS-ss,pHinf0,pBinf0,pN0,PV0,A0,M(-) fStage Iであった.2010年4月,閉塞性黄疸の診断で入院となった.中下部胆管癌の診断で,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的には乳頭腺癌であり,進展度はsx,pHinf0,pPanc2,pN0,PV0,A0,M(-) fStage IVaであった.胆管非拡張型膵胆管合流異常症に対して,胆嚢摘出術に加えて胆管切除や分流手術を併施するかについて意見が分かれている.本例では,癌細胞が進展していた合流部より末梢の共通管部分にも異型上皮がみられ,初回手術で肝外胆管切除を併施しても胆管癌の発生母地が残存した可能性が考えられた.

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© 2012 日本臨床外科学会
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