日本臨床外科学会雑誌
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症例
小腸間膜血管腫の1例
飯島 信大山 健一武田 雄一郎小松 正代若林 剛
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キーワード: 血管腫, 腸間膜, 小腸
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2012 年 73 巻 2 号 p. 481-485

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抄録

症例は53歳,男性.腹満感,腹痛を主訴に近医を受診.腹部超音波,腹部CTにて小腸間膜に数珠状に連なった腫瘤を認め,悪性リンパ腫の疑いにて当科を紹介された.腹腔鏡下に生検を施行したが,確定診断には至らなかった.そのため診断・治療目的に手術を施行.小腸間膜に15cmにわたり,大小嚢胞が連なる腫瘤を認め,腸間膜腫瘤を小腸とともに切除した.病理組織学的検査では,多嚢胞性病変は大小血管の増生で構成されており,大きく拡張した血管内には血腫の形成があり,海綿状血管腫と診断された.
小腸間膜血管腫は,術前に確定診断が得られないことも多い.自験例も含め本邦報告例は11例とまれな腫瘍であるため若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2012 日本臨床外科学会
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