日本臨床外科学会雑誌
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症例
原発巣診断に免疫組織学的診断が有用であった小腸腫瘍の1例
河野 竜二高濱 哲也上釜 勇今村 勝洋菰方 輝夫
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2012 年 73 巻 3 号 p. 608-612

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抄録
症例は52歳,女性.貧血と便秘の精査目的で内科受診.CT検査で骨盤内正中に12×8×13cm大の巨大な腫瘤と空腸近位部に内腔の狭小化を伴う4.5cm大の腫瘤を認め,肝両葉と両肺に多発転移巣を認めた.上下部消化管精査では腫瘍性病変は認めなかった.腫瘍マーカーはCEA 300ng/ml,CA125 10.5U/ml,CA19-9 76,800U/mlであった.術前診断で原発巣が卵巣か小腸か鑑別できなかった.精査中に腹腔内出血をきたしたため緊急手術となり,小腸部分切除,右卵巣腫瘍切除術施行した.免疫組織検査で小腸,卵巣病変ともにCDX2陽性,CK7陰性,CK20陽性であったため小腸原発と診断した.今回われわれは卵巣腫瘍との鑑別診断が非常に困難であり,最終的に免疫組織学的診断が有用であった1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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